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2022/08/22 12:46



こんにちは。GALLERY唐重です。

GALLERY唐重では、やきもの文化が根付く唐津の風土を汲み取りながら丁寧な手仕事で器を生み出す、窯元や作陶家さんたちの作品をセレクトしてお届けしています。手作りの器にはそれぞれに個性や表情があり、使うごと愛でるごとにゆるやかに変化していきます。同じものが一つとして存在しない、それが手仕事の魅力のひとつです。

ここでは、知っていてほしい器の特性や取扱いについてご紹介していきます。

*関連記事:「器を使うときに読みたいQ&A」


1.器の素材

陶磁器の器の素材はそれぞれに特製があり、どの素材を用いるかによって、器の見た目や質感が異なります。主な素材は大きく分けて「陶器」「磁器」「半磁器」の3種類です。

■陶器



自然から採れる土を主な原料とするやきもののこと。一般的に「土もの」と呼ばれます。唐津焼(佐賀県)をはじめ、信楽焼(滋賀県)、備前焼(岡山県)、益子焼(栃木県)などが、陶器を原料とするやきものとして知られています。

【主な特徴】
・土ものならではの素朴なぬくもりがある質感
・水や油、匂いの吸収性が高い
・厚みや重量があり、磁器に比べて欠けやすい
・経年変化が起こりやすい


■磁器


陶石(白色軟石の岩石)と呼ばれる石を原料とするやきもののこと。陶器の「土もの」に対し、磁器は「石もの」とも呼ばれます。有田焼・伊万里焼(佐賀県)をはじめ、九谷焼(石川県)、瀬戸焼(愛知県)、美濃焼(岐阜県)などが、磁器を原料とするやきものとして知られています。

【主な特徴】
・硬質で滑らか、透明感のある質感
・水や油、匂いの吸収性が低い
・薄手で軽く、陶器に比べて欠けにくい
・熱の伝導率が高い

■半磁器


陶器に用いられる土と、磁器に用いられる石を合わせた素材を原料とするやきもののこと。陶器のあたたかみのある風合いと磁器の強度を持ち合わせた、陶器と磁器の中間の素材です。

【主な特徴】
・柔らかな質感のものが多い
・陶器に比べて水や油、匂いを吸収しにくい
・陶器に比べて強度がある

2.器の個性

続いて器ごとの個性を見てみましょう。なかでも陶器と半磁器を素材とする器は、特に個性や表情が現れやすくなっています。

■鉄粉

陶器の表面にできる黒いほくろのようなものを「鉄粉」と言います。これは、陶器を焼成する際に、原料である土に含まれていた鉄分が酸化してできるもの。器の表情として、あえて鉄粉を出すために鉄分を多く含む土を用いて作陶することもあります。

■ピンホール

ピンで突いたような小さな穴を「ピンホール」と言います。素焼きをした際に素地に残る空気や、釉薬をかけた際についた有機物が、焼成する中で小さくへこむことによってできる現象です。

■貫入

素地と釉薬が焼成後に収縮するときに、収縮率の違いから表面に生じるひびのことを「貫入」と言います。釉薬の内側に生じるもので、ひび割れではありません。意図的に、器に貫入を多く施すこともあります。

■むら

釉薬のかかり具合や焼成時の熱の伝わり具合によって現れる濃淡を「(釉薬の)むら」と言います。釉薬の流れた跡や釉だまりは器の「景色」として楽しむのが、器の愛で方のひとつです。

3.あたらしい器を使う前に

陶器の器は水や油、匂いの吸収性が高いもの。特に購入したばかりの陶器は乾燥しており、染み込みやすい状態です。こうした染みや匂い移りを防ぐため、新しい陶器は使用前にたっぷりの水又はお湯に器を30分ほど浸しましょう。陶器が水を含むので、料理の水や油、匂いを吸収しづらくなります。これを「目止め」と言います。目止めのあとは、カビの防ぐために十分に乾かしてください。